2017年04月26日

夜は通し稽古をしつつ、会計整理と報告資料作成にウンウンいっていたここ数日。

2017年ツアー 会計の収支予想は500万超の赤字!どひゃー!びっくりするわー!

でもまあ、満席だ何だと言っているのはごく最近の話なのであって、テントツアーで数百万の借金を抱え、返してまた貯めてまたテントツアーに出る、というルーチンを20年近く繰り返してきた「どくんご」だし、その長い時間の中で、今どくんごに関わってくれている多くの人たちとの出会いがあり、テントの芝居とツアーについてのノウハウがあるわけです。拠点を埼玉から鹿児島に移し、ツアー期間を4か月から7か月に、公演地をそれまでの20か所から38か所に増やした2009年も、新規公演地が20か所以上で、似たり寄ったりの状況でした。新規開拓の年はこういうものだねえとも思うし、この8年間の広がりによって、2009年とはまた随分違う2017ツアーになるのだろうと楽しみでもあります。

 

さてしっかし、ようやっとお客さんも増え、借金をせずにツアーをスタートできるようになった途端にまた、大きな借金を負ってしまう『2年かけて全国をまわろうプロジェクト』って「何なんだー!?」 もう一度考えておく()

理由は色々あります。

新規開拓しなくても、一昨年くらいから公演地が1ツアーに入りきらない状況で、どこを休むのか?という時に、わかりやい納得しやすい形を作っていかないとスゴク気持ち悪い、とか。今年、東京の設営地確保に苦労しているように、今後大都市の設営地確保はますます厳しくなってくるだろうし、大きい拠点にばかり頼っていてはだめだろう、とか。

でも、なかなか言葉にしにくんだけど『2年かけて全国をまわろうプロジェクト』は、もっと本質的な「どくんごの演劇観」にかかわる問題だろうとも思っていて。

 

役者が精進するのはあたりまえ。舞台の上で起こることについて、自分たちがおもしろいと思えるものにするべく工夫し努力するのはあたりまえ。その当然のことをした上で、それでも舞台の上で起こっていることは、その日の芝居の全部ではなく一部でしかないと私は思っている。

自分たちで立てたテント劇場、それを取り巻くその日の風景、その日のために尽力した受け入れとその日集まってきたお客さん、そういうものが集まって作られるその日その場の空気、そこに稽古を重ね工夫してきた芝居が加わって、初めてひとつの演劇になる。

 

今は多くの演劇が、きれいだけど縛りも多い劇場に閉じ込められて、その枠の中で、舞台の上のことだけを作らざるをえない。上手な役者、おもしろい役者はたくさんいるだろうし、ストーリーの創作や言語センス・リズム感にすぐれた書き手もたくさんいるだろう。でも、それだけじゃあ全然退屈だと私は思うのだ。その芝居を取り囲む「劇場」と、そこに集う人たちが作る「場の空気」は、「その演劇の一部」であり、そこに創意やこだわり・愛情を感じられることが大事。テントでなくてもそういう視点を持った取り組みはたくさんあるし、そういうものに出会うと本当に楽しい。

そのように考えると、どくんごの受け入れは勿論、劇場に集まってくれたお客さん一人一人もその日の芝居の参加者であり、「どくんごの演劇」とは、「どくんごがテント劇場を立てて芝居をする」というツールを基にして、その劇の場で、その時間、そこに集った人たちが共に生きる時間であるとも言える。もちろん協力的な人ばかりじゃないです()

舞台に上がる合間に、苦情を言ってくる人に対応したり、出たり入ったりを繰り返す子供を脇に引っ張って行って「見てられないならもう入れない、外で遊んでろっ!」と怒ったり、そういう一つ一つも芝居に影響を与え、その日の芝居を作っている。

 

私が最近「新作主義」にうんざりするのも、舞台の上の目立つとこだけ新調しててもダメなんだよねーと思うからだ。劇場とか「場」を考え作っていくことは舞台の上の事を考える以上の労力と根気が必要で、良いシーンとか役者の精進はもちろん芝居に必須だけれど、個人や劇団の自己表現にとどまらない、もっと大きな、あるいはささやかな、表現の集合体であるところが「どくんごの演劇」の根幹だと思う。

それにね、ストーリーであれ何であれ、舞台上が面白すぎる芝居ってのもどうなのかなーって思ったりする()。いや、面白いものを作ろうとはするよ、するけど、それは、笑ったりワクワクしたり悲しくなったり、心を色々に動かすことで、観る人の気持ちがリラックスして、心が軽くなったりちょっと自由になったりして、場の空気や風景や風や光を感じ、ふと何かを思い出したり、普段は考えないことを考えてしまったり、ふと立ち止まって自分の内側を感じる時間になればいいなーと、キツイ世の中で固まった心が少しやわらかくなったらいいなあーと思うからなんだ。舞台の上がおもしろすぎて(?)、もっと笑いたいもっと楽しませてほしい、みたいだったら、それってむしろ観る人の心を不自由にしてない??って思ったり。まあこの辺は私の趣味かもしれない()

全国に仲間を増やしたいとか、友達の輪を広げたいとか、人気劇団になりたいとか、そんなことはカケラも思ってないけど、どくんごに関わろう、公演を一緒に作ろうと思う人たちがいるなら、そこに行って一緒に芝居の時間を作れるどくんごでありたい。

今のスタイルでそれが無理になっているのなら、自分たちが潰れない範囲で、スタイルを変えていかなければならない。

それゆえの『2年で全国をまわろうプロジェクト』。

2017ツアーどうなるか楽しみだーー。3B21B836-CDFC-4939-8760-8FE79AF34D59.jpg

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at 12:06 | Comment(2)
この記事へのコメント
いいお芝居に浸った後は
効能豊かな湯あがりのきもち

移動露天風呂(テント付き)

秘湯が旅をする!
Posted by クヌギタ at 2017年04月26日 12:42
「旅する秘湯」!? 新しい(笑)!!
Posted by 五月 at 2017年04月26日 16:55
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