2020年02月15日

テント試作と考え事

 by 五月
私は就職活動や研修のドタバタが終ってルーチンワークが始まり、どいのさんは不安倶楽部業務が一段落。雨の季節がくる前にと、ニューテントの施行錯誤も始まっていて、そんな中での考え事をつらつら書いてみます。けっこう長文。
舞台・客席・天幕の高さなど、実際モノを置いて区切って空間のイメージを検討したり、違う資材や構造で建ててみたり。2人しかいなくても構造体を作るのはほんと楽しい。でもシートかけはマジ大変。ちょっとの微風でも翻弄されて超疲労!!片付けに折りたたむだけでも重くって爆笑です。
勿論二人でツアーしようと思っているわけではないので、試行錯誤中のドタバタですが、「テント劇場とは風をはらむ天幕との格闘である」ということをあらためて実感しまくりです。
 
テントツアー中、悪天候でも繰り返される屋外作業はどれも大変ですが、台風ほどでなくても、風の強い日の天幕作業は、特に集中力と心身のパワーが必要で集団力が問われます。それを力を合わせて乗り越える中で、年齢も性格も趣味も違うメンバーが仲間になるし、共同作業で培われる集団の集中とエネルギーが、どくんごの芝居の底を支えているのだろうと思います。そのことはたぶん、どういうテントに変えようと変わらないのだけれど、60歳が見えてきた私たちがテントツアーについて考える時、そこには何か重要な問題があるのかも?という気がします。テントツアーというのは、体力も経済も土地取りも制作も大変なので、長く続きにくく「テント=若気のいたり」みたいな、「パワー無くしてテント無し」みたいなとこが歴史的に(?)あるわけです。パワー押しばかりでないどくんごにしても、芝居を最終的には集団のエネルギーでまとめてきたと思うし、否否、むしろ、どくんごはストーリーがない分、芝居の終盤、役者本人の最大限のエネルギーを吐き出すように求められて、他の集団以上にエネルギッシュにやってきたと思うのです。そのあたりをどのように考えていくのか?
「どくんごの芝居は、体力のある人もない人も、どのみちギリギリまで吐き出すことを求められるのだから、ある意味平等、体力があってもなくても同じこと」と最近まで思っていたけど、甘かった!全力出し切った後の回復力が全く違うんだぁよ!!舞台上でどんなにヘロヘロになっても、翌日には声も体力も回復するならむしろお得ですけどね、ヘロヘロになり過ぎたら明日の本番もバラシも建込みも支障がでるのではツアーができない。それってどうしたらいいんだ??年をとっていくということと、テントにおける劇表現の関係やいかに? というわけで、テント構造と芝居は当然繋がっていて、ニューテント構造だけでなく芝居についても課題は大きいのです。
 
「若い人たちに徐々に代替わりしていくのかと思ってた」と言われることもあるし、若い人を増やしてベテランは後ろに引きつつ舵取りをして、というのはよくあるスタイルなのかもしれない。でもそれって何だかややこしい。結局、集団の主体と課題がぼやけたり歪んだりするだけなんじゃないか?と私は思います。会社とか、もっと目的の明確な団体なら、そういうこともしやすいのかもだけど、どくんごは商売じゃないし、業務をきちんとこなしてお客さんが入って会計的に破綻がなければとりあえず良しという世界じゃない。それはある意味営利行為よりシビアで、取り組みをおもしろがれなくなったら、メンバーも全国の受け入れも、もうやっていけない、やめるしかない。
例えば2014年(OUF)終了後に立ち上げた「2年かけて全国をまわろうプロジェクト」は、2013年くらいからようやくお客さんも入るようになり、一か所の公演日数が増え、会計的にもやっと落ち着いきて、外見的には絶好調の時期だったけど、「これを繰り返すってどういうことなんだろう?経済的に落ち着いても、『旅するどくんご』はやせ細っていくような??」といった疑問からスタートして、30か所近い新規公演地開拓をし、2年かけて全国を回るスタイルに変更した。結果2016年からの4年間、本当に豊かなツアーができたと思うけれども、会計的には綱渡りだったし、破綻解散もありうる大きな決断だった。
 
どくんごに限らず、テントツアーを支える核は、各作業や役者業への真剣な取り組み以上に、芝居・作業・メンバーとの関係・受け入れを含めたツアー全体に対する、自分の関心や違和感を検討して考える力、話し合って作り変えていく力、自分が主体となってそれに取り組む意志だろうと思う。若い人たちがどくんごの芝居とテントツアーで学べることは多いし、全国の受け入れやお客さんに育てられて、視野を広げ大きくなっていくのを見るのは嬉しいし、今後も一緒にやっていきたいと思っているけれども、一番大事な核は教えられることじゃない。
みやちゃんであれ2Bであれ、長く居た人は特に、いなくなったら寂しいし、芝居的にも作業的にもその穴を埋めるのはめっちゃ大変だけど、でも、力をつけたら外に出て、自分が動かなきゃ何も始まらないところから何かを作ってみるほうが、一番大事な力がつくんじゃないか、そう思う私がいます。もちろん別に何も作らなくたっていいし、「何か作らねば」的どくんごの呪いから自由になって、元気に暮らせたらそれが一番かもしれないけどね。
 
20代から、時間も労力もお金も兎に角テントツアーに注ぎこんできたのが「劇団どくんご」で、絶滅危惧種という話が昔あったけど、テントツアーしかしない変種というほうが近い。その長い時間の中で、たくさんの受け入れやお客さんに出会い、ともに年を重ねて生きてきたので、私の「どくんごイメージ」は劇団というよりは、受け入れや、観続けれくれるお客さんも含めた、もっと大きな生き物で、生き物であれば年もとるし、いつかは死ぬし、形を変えて変化していくのだ。というわけで、20代・30代の「大テント」、40代から15年間の「犬小屋テント」。そしてまた次の脱皮をして、テントにみんなが集う日を楽しみに、今は試行錯誤と考え事と寄り道の日々です。
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